「自分の年収は、世間と比べて高いのか、低いのか」。転職を考え始めると、まず気になるところです。

私は課長だったころ、自分の年収は相場より高いと思い込んでいました。一度も調べたことはありません。でも、転職サイトに登録してみると、届く求人やスカウトは、今より高い年収のものばかりでした。

転職して、年収は100万円ほど上がりました。残業は月20時間もなく、休日出勤もありません。この記事では、統計で40代と課長の年収の相場を確かめたうえで、平均と比べる前にやってほしい「自分の市場価値の測り方」をまとめます。

40代の平均年収は500万円台

国税庁の「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤めた人の平均給与は、40〜44歳で531万円、45〜49歳で550万円です。全体の平均は487万円でした。

年齢男女計男性女性
30〜34歳462万円529万円376万円
35〜39歳503万円598万円362万円
40〜44歳531万円648万円370万円
45〜49歳550万円683万円377万円
50〜54歳568万円715万円376万円
全体487万円597万円342万円

出典: 令和7年分 民間給与実態統計調査(国税庁)の第14図「年齢階層別の平均給与」

平均には、正社員以外の人や役員も入っている

この平均給与は、令和7年の1月から12月まで勤めて、12か月分の給与を受け取った人の数字です。給与には給料・手当・賞与が含まれ、税金などを引く前の額です(通勤手当などの非課税の分は除く)。

対象には、正社員のほか、パート・アルバイトなどの正社員以外の人や、役員も入っています。正社員だけの平均給与は559万円、正社員以外は210万円です。

また、平均は一部の高い人に引っ張られます。男性の平均は597万円ですが、人数がいちばん多いのは、年収400万円超500万円以下の層です。

課長の給与の相場

役職ごとの給与は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」でわかります。令和7年の課長級の給与の平均は、毎月52万9,200円です。

役職毎月の給与の平均平均年齢
部長級63万5,800円53.1歳
課長級52万9,200円49.5歳
係長級39万9,200円45.4歳
役職のない人31万500円41.8歳

出典: 令和7年賃金構造基本統計調査の概況(厚生労働省)の第8表(役職別の賃金・男女計)

ここでいう給与は、令和7年6月分の「所定内給与額」です。残業代や休日出勤の手当、賞与は含まず、税金などを引く前の額です。10人以上が働く民間の事業所で、雇用期間の定めのない人(短時間で働く人を除く)が対象です。

賞与と残業代を含めなくても、課長級の12か月分は約635万円になります。ただし、平均年齢は49.5歳なので、30代や40代前半の課長は、そのまま比べないほうがいいと思います。

私の年収は、相場より高くなかった

課長だったころの私の年収は、500万円台前半でした。30代半ばで、給与は残業代込みの扱いだったと思います。平日は毎日2時間ほど残業し、土曜や祝日も月に1〜2回は出社していました。

統計と比べると、35〜39歳の平均(男女計で503万円)と同じくらいです。一度も調べなかったので、高いと思い込んだままだったのです。

それに、同じ年収でも、働く時間が長ければ時給は下がります。私の場合、残業と休日出勤まで入れると、時給は定時だけで割ったときより4分の1ほど低い計算でした(やりがい搾取の入口は、月3万円の昇給だった)。

平均と比べても、自分の市場価値はわからない

統計の平均は、いろいろな業界・会社・働き方をまとめた数字です。自分が世間の真ん中あたりにいるかどうかの目安にはなりますが、今の自分がいくらで求められるかまでは教えてくれません。

私が自分の相場に気づいたのは、統計ではなく、転職サイトに届いた求人とスカウトでした。高い案件ばかりが届くのを見て、今の場所の条件がどれだけ悪いのかが、はっきり見えてきました。

だから、平均と比べて安心したり落ち込んだりする前に、自分の市場価値を直接測ってみてほしいと思います。

自分の市場価値を測る4つの方法

1. スカウト型の転職サイトに登録する

経歴を登録しておくと、企業やヘッドハンターから声がかかるのが、スカウト型の転職サイトです。どんな会社が、どのくらいの年収で声をかけてくるかが、そのまま今の市場での評価の目安になります。

私はビズリーチに登録し、無料のプランのまま、企業から週に1回ほどスカウトを受け取っていました。営業職の経歴だったこともあり、いろいろな業界から声がかかりました。使ったときの記録は、ビズリーチの評判は本当?にまとめています。

2. 転職エージェントの担当者に聞く

転職エージェントに登録すると、担当者との面談で、今の経歴でどんな求人を紹介できるかを聞けます。紹介された求人の年収は、そのまま相場の目安になります。

私が使った転職エージェントと、面談の様子は、転職エージェントは何社に登録する?にまとめています。

3. 市場価値の診断サービスを使う

経歴などを入れると、市場での評価の目安がわかる診断サービスもあります。

私は、興味はあったものの、使ったことはありません。今思えば、使っていれば、もっと早く転職すべきだと気づけたと思います。最初の物差しとして、試してみる価値はあると思います。

4. 実質時給を計算する

年収だけでなく、働いた時間でも測ってみてください。サービス残業や休日出勤まで入れた「実質時給」は、実質時給の計算で出せます。

年収が同じでも、働く時間が違えば、時給はまったく違います。求人の年収と比べるときも、残業や休日出勤の時間を一緒に確かめるのが大事です。

転職して、年収と時間はこう変わった

実質時給で比べると、違いがよくわかります。計算しやすいように、転職前の年収を500万円、転職後を600万円とします(実際はそれぞれ少し上です)。

転職前転職後
年収(計算用)500万円600万円
月に働いた時間約210時間約180時間
実質時給約2,000円約2,800円

定時は、どちらも1日8時間・月20日として計算しています。転職前は残業を1日2時間・休日出勤を月1.5日、転職後は残業を月20時間(実際はそれより少ない)としました。

年収が上がっただけでなく、働く時間が減ったので、時給にすると4割ほど上がった計算です。年収の相場を見るときは、時間とセットで見るのがいいと私は思います。

まとめ

  • 40代の平均年収は、40〜44歳で531万円、45〜49歳で550万円(国税庁、令和7年分)。平均には正社員以外の人や役員も入っている
  • 課長級の毎月の給与(残業代と賞与を除く)の平均は52万9,200円。平均年齢は49.5歳なので、若い課長はそのまま比べない
  • 私は年収が相場より高いと思い込んでいたが、届いた求人は高い年収のものばかりだった
  • 平均と比べる前に、スカウト・転職エージェント・診断サービス・実質時給で、自分の市場価値を測る
  • 転職して、年収は100万円ほど上がり、働く時間も減った。年収は時間とセットで見る