「キャリアコーチングは意味ないのでは」。そう思って調べると、コーチングを提供する側の説明が多く見つかります。
最初にお伝えしておくと、私はキャリアコーチングを使っていません。存在は知っていましたが、一刻も早く転職したかったので、使う機会がありませんでした。
その代わり、社内に相談できる人がいなかった私が、誰に話して目が覚めたのかは書けます。この記事では、売る側ではない立場から、無料の相談先で足りる人と、有料のコーチングが合いそうな人の分け方を考えます。
社内だけで考えると、答えは「残る」になる
会社にいるうちは、明らかにおかしいことでも「普通のこと」に見えてしまいます。私もそうでした。自分の中でいくら考えても、答えはいつも「このまま残る」になっていました。
社内の人に相談しても、結論はあまり変わりません。同じ会社の中にいる人は、同じ「普通」の中にいるからです。
ひとりで抱え込んでいた頃の私は、「頑張らなければ」という気持ちと、「このままでは心が壊れる」という不安の間を行き来して、動けなくなっていました。限界だと気づいたのは、眠れないまま迎えた朝5時、家族のいないリビングで涙が止まらなかったときです。そのときのことは、やりがい搾取の記事に書いています。
目を覚まさせてくれたのは、会社と関係のない人だった
私が相談したのは、家族と、会社とはまったく関係のない昔からの友人、それに小学校の同級生でした。
しばらく会っていなかった友人に今の状況を説明すると、私が当たり前だと思っていたことは、まったく当たり前ではないと指摘されました。そのとき、ようやく自分の中で目が覚めた気がします。
同じ会社の空気を知らない人だからこそ、遠慮なく「おかしい」と言えたのだと思います。
当時の私にとっては、毎日の残業も、休みの日に社給の携帯で電話に出ることも、営業なのに経理まで引き受けていることも、当たり前のことでした。外の人に話して初めて、それが当たり前ではないと分かったのです。
相談するときは、気持ちよりも、何時から何時まで働いているか、休みの日に何をしているかといった事実を話すと、聞く側も判断しやすいと思います。話す前に、メモにしておくのもおすすめです。
転職エージェントの面談でも、外の目に助けられた
転職エージェントとの面談でも、外からの見方をもらえました。営業だけでなく、事務や経理まで兼務している人は、あまりいなかったようです。
担当者からは「大変な思いをされているのですね」「その経験はいろんな部分で役に立つと思います」と励まされました。「ちょっと働かされすぎですね」と、率直に言われたこともあります。
自分の状況を、会社の外の物差しで測り直す。私にとって相談の価値は、そこにありました。
相談先は、無料でも見つかる
外の目を借りるだけなら、お金はかかりません。私が実際に話したのは、次の相手です。
| 相談先 | 費用 | 役に立ったこと |
|---|---|---|
| 家族・会社と関係のない友人 | 無料 | 自分の「当たり前」がずれていると気づけた |
| 転職エージェントの面談 | 無料 | 外から見た自分の働き方を知れた。経験が役に立つと言ってもらえた |
転職エージェントは、仕事を探す側は無料で使えます。私が使ったのは、リクルートエージェントとマイナビ転職エージェントです。
残業代が払われない、辞めさせてもらえないといった職場のトラブルなら、厚生労働省の総合労働相談コーナーでも、予約不要・無料で相談できます。
キャリアコーチングが合うのは、どんな人か
キャリアコーチングは、求人を紹介するというより、これからの働き方を一緒に整理するためのサービスと考えておくとよいと思います。求人を紹介してもらうつもりで申し込むと、「意味がなかった」と感じやすいのかもしれません。
| 比べること | 転職エージェント | キャリアコーチング |
|---|---|---|
| 主な目的 | 求人を紹介し、転職を手伝う | これからの働き方や、したいことを整理する |
| 費用 | 仕事を探す側は無料 | 多くは有料 |
| 向いている人 | 辞めることを決めていて、次を探したい人 | 辞めるか残るかから考えたい人 |
ここからは、使わなかった立場からの考えです。私のように、辞めることだけは決まっていて、早く次を探したい人なら、無料の相談先で足りると思います。
一方で、次のような人には、有料のコーチングが役立つかもしれません。
- 辞めるか残るかも、まだ決められない
- 自分が何をしたいのか、言葉にできていない
- 家族に、転職したい理由を筋道立てて説明したい
- 「自分がいなければ回らない」という思いが強く、現実が見えにくくなっている
私自身、時間に余裕があったら、一度は使ってみたかったと思っています。
申し込む前に確かめたいこと
キャリアコーチングは怪しいのでは、と心配する人もいるようです。サービスの良し悪しは私には判断できませんが、多くは有料なので、次の点は申し込む前に確かめておくと安心です。
- 費用の総額と、支払いの方法(分割の場合の総額も)
- 期間と、面談の回数
- 途中でやめたくなったときの扱い(返金があるかどうか)
- 求人の紹介があるのか、ないのか
- 担当者と話しやすいか
無料の面談や説明会を用意しているサービスもあるので、こうした点はそこで確かめるとよいと思います。その場で契約を急がされたら、一度持ち帰って考えるくらいでちょうどいいと思います。
年代で選ぶ、キャリアコーチング
キャリアコーチングには、20〜30代向け、40〜50代向けのように、対象の年代を決めているサービスもあります。同じ悩みでも、年代によって選べるサービスが違うことがあります。
どのサービスも私は使っていません。年代の条件や費用は、申し込む前に各社の公式サイトで確かめてください。
まとめ
- キャリアコーチングに意味があるかは、何を求めるかで決まる
- 求人を紹介してほしいなら、無料の転職エージェントで足りる
- 辞めるか残るか、何をしたいかから整理したいなら、コーチングが合うかもしれない
- 私にいちばん効いたのは、会社と関係のない友人の「それは当たり前じゃない」という指摘だった
- 有料のサービスは、無料の面談で合うかを確かめてから
辞めると決めたあとの進め方は、管理職の辞め方の記事にまとめています。